内海のティーブレイク

内容は多岐にわたります。

渕上舞コンセプトベストアルバム〜Dreamy Stories〜 "満5周年を祝うに相応しい一体感"

 

 

ごきげんよう。内海です。

今回は、先日リリースされた声優アーティスト渕上舞さんのコンセプトベストアルバム〜Dreamy Stories〜についての感想等を、まとめていければなと思っています。

 

まず作品全体の印象として、絵本とCDとの相乗効果が高く、絵本を読むのをマストと言いたいほど、CDの曲目や並びが考えられているなと思いました。
まるで絵本の主人公の状況・心情を楽曲がなぞっているような、そんな印象でした。


その中でも新曲についてお話します。
新曲4曲を個人的な主観の印象を言葉で表すなら。

★『目眩』→渕上流

★『Dreamy Stories』→渕上イズム

★『無敵アップデート!』→Mai Style

★『ON STAGE』→「歌手渕上舞

と言ったところでしょうか。
前提として、絵本のあとがきに〈線の一本一本、言葉選びの一つ一つを丁寧に〉とあったので、新曲の作詞に関してもいつも以上に言葉選びに気を遣われたのではないかと予想しています。

 

『目眩』について
歌詞に「聴こえる音色はノイズだらけ」とありますが、あえて″聴こえる"の字を使っているので、この曲における主人公は、周りの音をしっかり聴こうとしていたことが分かります。言い方を変えると、周りの意見を聞いたり協力したり、一緒に寄り添って生活していこうとしていた、というイメージです。しかし、実情はかけ離れていて、寝不足だし、ドレスは着心地悪いし、色々と我慢していたことが伝わってきます。
また、「たすけて」が「助けて」ではないことから、物理的な助けではなく、ただ「たすけて」欲しかったのだろうと思われます(伝われ)。上手く言えませんが、心のたすけが必要だった。そしてこの表記にすることで、声が意味の汲み取れる言葉になっていない、ということを示したいようにも思います。

個人的感覚ですが、『A Crow』と『揺れるMoonlight』の要素を持った曲だと感じました。こういった曲はやはり好きですね。鬱々とした雰囲気を漂わせつつも、どこか開放感がある。私の(勝手に)定義する渕上流に当てはまると思います。


『Dreamy Stories』について
「「もう嫌だ」と泣いた」や「叶わない夢もたくさんある」と言いつつも、「ガラスの靴履いて歩く」や「奇跡だけ詰め込んだ」エンディングもいいなと、好きなエンディングを考えている歌詞がなんだかとても可愛いです。そしてこれらのエンディングって、定型的なハッピーエンドというよりは、その人(主人公)が1番輝いてる瞬間であって…そこをエンディングの候補に入れているのがなんだか舞さんらしいな…と。
「明日目が覚めたら 見た夢の続きを描こう 大好きな青が滲んでも 思い出は消さないよ」の歌詞が好きです。時折他で言われている渕上イズムを感じます。
素直にメロディがステキです。これもお気に入りの1曲です。


『無敵アップデート!』について
要所要所に、渕上節が散りばめられていて、最終的には応援したくなるような楽曲ですよね。細かい説明は省きますが、明るくアップテンポな曲の歌詞に舞さんがよく使っている技法、渕上節が印象的でした。
一方で、主人公というワードが出てきますが、舞さんが主人公にスポットを当てるというか言及するのって、意外と珍しいのでは?なんて思っています。


『ON STAGE』について
こちらはライブ披露が楽しみな楽曲になってますね。全体的にちょこちょこと、これまでの曲を雰囲気で連想させるワードがあり、まさしく"ステージ上″というイメージが、ダイレクトにしっかりと伝わってきました。
例としては下記です。
「僕は無敵になれたよ」→『無敵アップデート!』
「全部思い出だよ だから捨てないで」→『星空』

 

続いて絵本についてです。
最初に読んだ時、お城を抜け出すところが、ローマの休日を彷彿とさせました。その後の展開は違うのですが、お城を抜け出す流れって、変な言い方ですけどなんだかロマンがありますよね。

鳥が出てくるところは、舞さんの鳥に対する印象が大きく反映されているかと。窮地を助けてくれる存在ではあるけれど、それでも鳥さんは自由でいる、という風な…。

おじいさんがタオルで拭いてくれたところは、ラジオである時言っていた、「知らないおじさんに助けられたことが何度かある」というのをここで取り入れたか?と思ってしまいました(笑)

最後、お姫さまは「私、ひとりぼっちじゃなかったんだ。」と気づきますが、これは周りのお城の人たちとしても、気づきがあったのではないか?と思っています。冒頭の自分のことばかりで忙しそうというのはある意味本当で、お城の人たちもお姫さまがいなくなって初めて、お姫さまのことを大事に思っていたんだな、と自分自身で思ったのではないでしょうか?そういった人々のちょっとした感情のすれ違い、そして大切な存在への気づき、これはテーマのひとつになっていると感じました。

 


そして3つのライブ映像とコメンタリーを観て再認識したのは、当たり前のことではありますが、ライブにおいて、パフォーマンスする舞さん自身はもちろんのこと、それを直に支えて作ってくださるバンドメンバーやスタッフの方々、そして言うなれば受け手側となる我々観客(遠くで応援するファンの方なども含む)。それぞれが大切な存在だということです。細部まで考えればもっとたくさんの方がいるでしょう。どの存在も欠けてしまっては成り立たないのです。

 

CDに絵本にライブ映像、これらから伝わってくるのは大切な存在をちゃんと大切だと思える、まさしく夢のような物語。『Dreamy Stories』が表題曲なのもうなずけます。これが実現化しているというのは、尊いことだと思います。したがって、満5周年を祝うに相応しい作品としての一体感を感じ、そこがとても魅力的でした。

 

以上が私の感想になります。今回のこのコンセプトベストアルバム、気軽に手に取るのは難しいお値段ではありますが、楽曲だけでも触れてみてはいかがでしょうか。

 

それでは、また。    内海

渕上舞5周年LIVEテーマ♡これからもみんなのアイドル♡~納得のワケ~

皆さんお疲れ様です。内海です。

少し間隔が空いての更新になりますでしょうか。今回は7月15日に行われた『渕上舞5th Anniversary LIVE♡これからもみんなのアイドル♡』の感想や要所まとめをしておきたいな、と思い筆を執っています。


さて、今回のLIVE、皆さんテンションが上がってそれどころではないし、各ポイントでの衝撃で記憶を消されており、なんと7月16日現在どこにもセットリスト完全版が上がっていないのです。その為筆者も所々掻い摘んだことしか述べられません。ご承知おきを。

 


今回のLIVEでは、舞さんのアーティストデビュー5周年ということもあり、それに合わせて演出等も凝っていて、頑張って一言で表すなら「エモかった」です。歴史をなぞる特盛りセットと言ったところでしょうか。
コロナ禍以降初の声出し解禁ということもあり、会場のボルテージはことあるごとにMAX。普通に立っていると浮遊感みたいなものに襲われました(笑)

毎度のことながら、舞さんの歌唱力も高かったです。「MAI CREATE」からの新曲を見事に歌いこなしてらっしゃったので、歌唱技術も洗練されているな、とここに来て思わされました。


衣装やお姿も印象的でした。1着目は白を基調としたもので、装飾として(記憶が合っていれば)赤青緑黄紫というラインナップが施されていました。※ロゴに使われているものではないか、というご助言を頂きました。今までとこれからを感じさせる衣装でした。個人的にモノトーンは好きなので、シンプルに良い衣装だと思いました。
そして2着目のお姿。これがまた凄かった。登場と同時に高めのツインテールが目に入り仰天。それが落ち着かないうちに視線を落としていくと顔を出している腹筋。そしてお御足。お御足は私の居た位置的に「フラミンゴディスコ」の時に気が狂うかと思いました。

 


楽曲としては本当に沢山ありましたが「人芝居」「終焉のDestiny」「操り人形クーデター」など、ダークチックなブロックが聴いていて楽しかったです。あ、あと「BLACK CAT」もね。そんな中、強いてイチオシを挙げるとすれば「ファンタジック・パートナー」が良かったです。この選出の理由は歌う前(?)のMC込みでして、この曲はMVの先入観が強く、言い方はあまり良くないですが、決まった相手に対する上辺で空想の理想論を、楽曲として上手く抽出しているなというイメージでした(決して貶しているわけではないですが申し訳ない)。しかし舞さんのMCでのお話を踏まえてこれを聴くと、180度印象が変わりました。お話の内容としては、以下。
─────────────

この曲は「パートナー」をコンセプトに作詞を手掛けましたと。パートナーというと一般には彼氏彼女であったり、旦那さん奥さんという関係性が浮かぶけれども、イメージしているのは少し異なる。私(舞さん)自身がこれまで声優、そしてアーティストとして活動してこれたのはファンの存在があってこそであると。ファンは皆々想いは色々で、様々な角度から多様な形で応援してくれている。その関係性についても「パートナー」と言っても良いんじゃないだろうか。固定された狭い意味での1対1ではなく、舞さんとそれぞれのファンの関係性。私(舞さん)にはパートナーが沢山いるなぁと。それを大事にしていきたい。

─────────────
以上のような内容でした。この考え方は以前の私の中には全く無く、目からウロコ状態でした。曲の聴こえ方がガラッと変わりましたね。楽曲の解釈の幅を広げてくださいました。感謝。

 

 

ここまで色々述べましたが、外せないのは『渕神様のありがたいお言葉』ですよね。今回のお言葉は「少しくらいなら人に迷惑をかけるのを怖がらないで生きていきたい」というものでした。舞さん自身昔から、苦手で人に迷惑をかけてしまいそうなことは、そもそもやらない主義であったと。でもこの頃は独りで抱え込むよりも、周りを頼って物事を達成するやり方をしていきたいと思っているそうです。身近なことで表すなら周りに愚痴を聞いてもらうなど。ストレスを自分の中だけで循環させないで、他の人に分けてしまおうというね。何を不快に感じるかは人それぞれで、意外とそのポイントって違ったりするので、分けたところで相手は大して堪えない、なんてこともある訳ですね。そして、分けた自分が少しでも気分的に楽になれば、その後のパフォーマンスが上がるのにも繋がりますし。他人を良い意味で上手く利用していこうと。しかし注意しておきたいのは、むやみに他人を心身共に傷付けて良いということではないという点ですね。誤解がないように言っておきます。

話を戻しますがこの話、逆説的に捉えてもとても面白いんです。人に頼って楽しようではなく、舞さん自身がそれにかかるストレスを上手く分割しながら、もっとできる事を増やしていきたいと思っていることの裏付けになりませんか?『渕神様のありがたいお言葉』はファンへ向けてのアドバイスであると同時に、舞さん本人が自分に言い聞かせている場面でもあるので。5周年を迎えた今、舞さんには今まで通り自分のペースで、無理なく活動していって欲しいと思うと同時に、その高いポテンシャルを伸ばして活躍の場を広げていってくれたら理想的だな、とも思うわけです。(″とりま"も終わってしまったし)

この逆説的な裏付けにより、この発言から見え隠れする(敢えて言います)向上心。これこそが今回のLIVEテーマである『♡これからもみんなのアイドル♡』の"これから"と"アイドル性"であると感じました。

 

 

私からこの記事を通して伝えたいのは以上になります。何か感想や補足事項がある方は是非コメント等で反応して頂ければと思います。
前述したように、私の観点から掻い摘んだ内容なので、他にも今回のLIVEで魅力となる要所はいくつもあります。他の方のツイートや記事も参考になさってください。


ここまで読んでいただきありがとうございました。
今回はここで失礼します。また更新する日まで。内海

渕上舞 "THE CIRCUS" 〜コンセプト作りがまさしく曲芸師!?〜

はじめに

こんにちは。もしくはこんばんは。 内海です。

渕上舞さんアーティストデビュー3周年記念ツアー完遂おめでとうございます! 参加された方々もお疲れ様でした。 ツイートなどで細やかな発信がなかなかできなかった為、まずはこのことを伝えたかったです。

本題

さて、2月5日に福岡にて凱旋&千秋楽となるライブが行われたことで、渕上舞アーティストデビュー3周年ライブツアー"THE CIRCUS"は無事終幕した。

私は神奈川公演のみの現地参加であったが、大阪公演と福岡公演のことも参加した方々から話を聞き、今筆を執っている。これを書き上げた時に、私にとっての"THE CIRCUS"も本当の意味で終わりを迎えることになるだろう。


今回のライブツアーは久々に渕上舞さんのライブを現地で見ることができたこと。加えて、オンラインのメッセージ&イラストPDF本の企画に携わらせていただいたこともあり、私にとってかなり思い出深いものとなった。

それと同時に、このライブツアーでは考えさせられることが多かったのも事実だ。 ファンの方々の様子を見ていると皆さんも、たくさん楽しまれた方、反対に悔しい思いをした方、様々おられたように見えた。悩まれた人も多かっただろう。

そしてこれはファンだけに留まらず、渕上さんにも一部共通する部分があったのではないかと思う。 何と言ってもこのご時世である。この時期にライブツアーを行うというのは、色々と制限されることも多く、一言で「楽しい」では済まなかったはずだ。 準備・活動を進める中で「迷い」があったのではないだろうか。

現に、ライブ前ではインスタグラムで「ぜひ遊びに来てください!」としながらも「しかし皆様の健康・命を守る選択が最優先です」というような投稿をしていた記憶がある。 また、話を聞くところによると、大阪公演でのMCでは当日現地に来られなかった人、来ることを選ばなかった人のことにも言及してくれていたようだ。

そしてこれが、そうこの「迷い」こそが今回のツアーの大きなテーマであると私は考えている。


"THE CIRCUS"では、アンコールまではMCが一切無く、その代わりにブロック毎に「語り」が流れる形式であった。その語りでは主人公が、選択をして迷いの壁にぶち当たり、最後には自分なりの答えを見つける、というストーリー性が込められていた。

そしてこの主人公が最終的に出した結論というのが、渕神様がMCで仰られた"ありがたいお言葉"と繋がっているというのも面白いポイント。 無意識に物事に答えを求めようとし過ぎていた渕上さんに、お母様が「世の中には答えの無いことの方が多い」というアドバイスをしたというもの。それを思い出し感化された渕上さんが、我々にそれを伝えてくださった。

この主人公については渕上さんが「この主人公は"THE CIRCUS"という世界の中での主人公に過ぎないのか、もしくは渕上舞そのものなのか、それは皆様のご想像にお任せします」というように話されていた。

私個人の見解としては、この主人公は渕上舞から生まれ創られた主人公なのではないかと思っている。 中間の存在と言ったところだろうか。「語り」の内容・フレーズからは明らかに渕上舞さんを彷彿とさせるものがある。しかし本人そのものとは何処か違う。

これまでの渕上さんがいて今の渕上さんがあるわけだが、今の渕上さんの考えを抽出したような感覚がある。というのが根拠である。


ここまでの考えをもう少し簡単に表現したいところだ。 要するに、この時期にツアーを行うにあたって渕上さんの中には「迷い」があった。

しかしその迷いというのを敢えてテーマとして持って来ることで、"THE CIRCUS"というライブのコンセプトに取り込んでしまい、世界観を完全に作り上げた。

それこそまさに、渕上さんが今見つけた、あるいは作った「自分なりの答え」なのであろう。

そしてそれはアーティスト活動をしている方と同等とまでは言わないが、同じく制限や葛藤の中で「迷い」がある我々受け手にも響く内容となった。

セットリストに関して各公演あのようになったのは、各地毎のシークレット的な楽しみは残しつつも、全てに参加できない人たちをある程度考慮して、一貫性を持たせることで、ある意味なるべく平等に楽しんでもらいたいという意思があるようにも感じた。

無論、このツアー開催がいつ決まったのか、コンセプトや形式をいつどのように決定したのかは私には分かりかねる為、憶測の部分は生じてきてしまうが、私個人としてはそのように捉え、受け取った次第である。

おわりに

普通に音楽を楽しめよ、と言われるような話を綴ったわけだが「語り」という新たな手法を取られた以上、こちらも深く考えずにはいられなかった(笑)

とにかく皆さん楽しまれた方も多いようで良かったです。 悔しい思いをした方もその選択を自ら認めてあげるのが良きかと思います。 私も多少惜しい気持ちの面もありますが、次への投資だと思ってバネにしていきたいと思っています。そういうメッセージだったわけですから。 また、今回のこの記事の内容は各所事実に基づき書いていますが、所詮は筆者の想像に過ぎないという点は改めて言っておきます。 これで"THE CIRCUS"が終わったかと思うと、あっという間で物悲しくもありますが、終わりは始まりでもあると考えています。 ほら、耳をすませば新曲や次のライブの音色が聞こえてきそうな気がします。 ここまで読んでいただきありがとうございました。

それではまた。 内海

〜夏の終わりに〜『Love Summer!』を振り返る

 

どうも、内海です。

 

9月上旬も過ぎ、時々残暑はあるものの、いよいよ夏の終わりを感じる今日この頃である。

渕上舞さんの『まいのうた♪その5』も終わってしまったら......

後は秋の訪れを楽しもうではないか。

 

 

さて、今回記事を更新したのは少しばかりお話したい楽曲があるからだ。

その楽曲とは、ずばり渕上舞さんの『Love Summer!』。これを振り返ってみたい。

あれ?この曲は内海の好きそうなジャンルではなくないか?そう思ったそこのあなた、鋭い!確かに一見私の興味が行きやすいジャンルではない(笑)

 

しかしながら、流石は渕上舞作詞楽曲。普段の私を覆しお気に入りのひとつだ。

その理由をこの場でお話できればと思う。

 

実にこの楽曲の凄味としては"理想と現実の調和"が挙げられると思う。

 

 

話は逸れるが、ポケモンシリーズにダイヤモンド/パールがあり、それぞれの伝説のポケモンディアルガパルキアが、時間/空間の象徴となっている。またブラック/ホワイトではゼクロム/レシラムが、理想/真実の象徴となっている。

このように、割と知れたことだがポケモンシリーズでは相対する事象や概念をモチーフにしたタイトルを同時に2本発売している。そしてこれらはストーリーの中でかなり深いテーマを我々プレーヤーに突き付けてくるのだ。

 

 

話を戻そう。『Love Summer!』では前述のような相対する“理想”と“現実”が楽曲の中でシナジー効果を生んでいるように思う。

 

軽快かつ爽やかで明るいメロディー、そして正しく理想の夏を語る歌詞。これが合さってこの楽曲はできている。

しかし歌詞の方、私が引っ掛かりお気に入りとなった、とあるフレーズがある。

「ほらユートピア」これだ。

これについては、ラジオ『渕上舞のとりあえずまぁ、話だけでも。』にもお気に入りのフレーズとしてメールを送ったことがある。その時は長くなってしまう為割愛したのだが、この前の部分では

 

明日だって明後日だって
┃憂鬱な日は続くけど
┃今日だけは忘れて舞い上がれ

 

と歌っている。私は初めて聴いた時からこの部分(特にほらユートピア)が引っ掛かっていた。良い意味で。これ、ただはじけている訳ではないな、と。

ユートピアという言葉は″理想郷″という意味だが、私の個人的な理由からこの言葉とはちょっとした縁があり、単なる偶然ではあるがビビッときていた。

 

この歌詞がくるところまでは本当に楽しそうな、というよりこちらまでノッてしまうような楽しい詞を歌っているのだ。それが(1番の)最後にこれで一気に現実に戻される。あくまで、この曲この雰囲気はユートピアなんだよ、と。残念でしたねと。明日以降の日を全て(と言い切れるかは微妙だが)憂鬱な日としているのも実に渕上舞さんらしい(笑)

 

 

渕上さん自身も「ほらユートピア」の歌詞に関してはラジオ等で何回か触れており、ユートピアは理想郷であり存在しないもの。即ち「これ幻想って言っています。怖いですよね(笑)」などと語っていた。

 

 

以上の所までで、全てをかき消す魔の言葉「ほらユートピア」を評価する旨の話をしてきた訳だが、何もそれだけが良いと言っているのではない。

ここに至るまでの楽しい歌詞がなければ、この部分が特に光ることもなかったかもしれないし、軽快なメロディーにのっているからこそ軽くホラーなのだ(笑)

 

それに「今日だけは忘れて舞い上がれ」とも言っている。憂鬱な現実を思わず忘れるような瞬間ってあるでしょう?昨今の情勢だとなかなか少ないかもしれないが(泣)楽しいひとときに身を任せて存分に満喫するのも重要なのだ。

 

 

 

要はバランスである。ハッピーな理想と憂鬱な現実。双方の調和があってこそ成り立つ良さだと思う。

 

 

夏のはじけたワクワク感を味わいつつ、少し現実を突きつけられる本楽曲。

夏の終わりにその余韻を感じながら今一度聴いてみてはいかがでしょう。

 

 

それではこの辺りで失礼します。

内海

『A Crow 』〜負の気の昇華〜

どうも、内海です。

 

 

以前の記事で言っていたことを有言実行したいと思い、この文面を練っている今現在である。

 

 

今回紹介したいのは、渕上舞さん作詞の楽曲であり、私のお気に入りの1曲である

A Crow』。

1stアルバム『Fly High Myway!』に収録されており、非常にカッコ良いナンバー。この楽曲について筆者なりの解釈を取り入れつつ、紹介し推してみたい。

 

 

 

まずはその曲名に着目したい。名詞のcrowの意味はカラス。そして敢えて冠詞のaがついている。訳すと"とある1羽のカラス"といったところだ。

 

 

 

この曲、個人的に多面性を持っていると思える。1つ目は、一度歌詞全体に目を通してみると分かると思うのだが、渕上舞さん自身の(特に上手く物事が進んでいなかった時期の)声優人生を彷彿とさせる内容となっている。そういった意味でも力強さが感じられるのだろう。

その点だけでも充分に推せるのだが、どうしても邪推が入りかねない点も考慮し、他の見方もしてみたい。

 

2つ目は、頑張りが報われず裏切りにあった女性をイメージさせることに注目した見方。

3つ目は単純にカラスという鳥を理解した上での見方。

 

 

 

 

2つ目の見方を掘り下げる。

歌詞を筆者の補足的解釈を入れつつも、なるべく原文のまま捉えたい。

 

 

明け方の冷たい空気

足音さえ聞こえなくて

時刻は明け方。人っ子ひとり歩いていない。

ひとりぼっちの時間と空間。

 

 

 

ゴミ箱に投げ捨てたのは

背伸びした日のピアス

思わず視界に入ったピアスを投げ捨ててしまった。それは無理して自分を偽っていた頃の品。※ここは私の好きなフレーズでもある。

 

 

 

落ちたのは

誰かのせいにしたらいい?

くちびる噛みしめて蹴り飛ばした

壁の跡は まだ消せないよ

不安塗りつぶして 新しく描くんだ

あの群青色の空を

未だに怒りのやり場が分からない。

やりきれない思いで当り散らしてしまった壁の跡は、心の傷と同じく消すことができない。

不安ごと群青色に塗りつぶしたい。

自分の居場所を描きたい。

 

 

 

鳴り響く電話のコール

出られずにそのまま切れた

伝言ゲームはもう終わり

つまらない暇潰し

嘘つきは誰なの?

全部聞かせて

静かな空間に電話のコールが鳴り響くが、とても出る気力などない。

幾度も言葉を交わしてきたが、そんなものは全て無意味だった。

今はとにかく本当の事を知りたい。

 

 

 

わざとらしい笑顔で「さよなら」

他人事みたいね

ルールなんて崩してしまえ

新しく積み上げて

この感情のまま生きてみる

あっさりと告げられた別れ。そんなことをしていい立場の人間ではないはずなのに。

これまでの暗黙のルールや決まり事など一掃して、今の感情を貫いて過ごしていきたい。

 

 

 

続きなんて考えてない

いつか聞いた言葉

それだけを信じて

その(自分の感情を貫く)やり方ではこの先どうなるか不明瞭。

だから先のことはいっそのこと考えない。

なんなら終わりが来てもいい。

いつだかに聞かせてもらった大事な言葉だけを頼りにしてみよう。

 

 

 

目覚めていく都会の喧騒

取り残されても

仲間を呼ぶカラスの鳴き声

景色は変わらないまま

明け方を過ぎ、目覚めるように社会は騒がしくなる。何も変わらない日常。

それに取り残されようとも足掻くが、また同じような日々。

 

 

 

くちびる噛みしめて蹴り飛ばした

壁の跡は まだ消せないよ

不安塗りつぶして 新しく描くんだ

あの群青色の空を

この感情のまま強く

更に時間が経過してもあの心の傷は消せない。

だから不安ごと塗りつぶすんだ、私らしい色で。自分が自由になれるように。

この感情を忘れずに強くありたい。

 

 

 

 

個人的には、荒んだ状況(裏切りや喧嘩?)の中自分を貫こうとする、孤高な女性像が浮かぶ。ちなみに、女性が浮かぶ理由はピアスという言葉が入っている点と、節々の言い回しからである。断定に近い仮定だ。

ポイントなのは、この楽曲の歌詞ほとんどがマイナスなイメージの言い回し、或いは""""を感じさせる言葉選びであること。

 

そして、二度出てくる

「不安塗りつぶして 新しく描くんだ

あの群青色の空を」

というフレーズ。ここだけに野心とも言うべきプラスな感情を、一点集中させていること。

これが本曲の特徴であり、魅力的な要素だと私は思う。

この言葉は今後、私は何度も使うだろう。「渕上舞楽曲はただ暗いだけただ明るいだけでは終わらない」

この曲は、"負の気の昇華"だと感じた。

 

 

 

 

 

3つ目、最後に曲名の"とある1羽のカラス"に視点を置いて少しだけ考えてみたい。渕上舞さんの曲で、鳥の名前のみが曲名になっているのはこの曲だけだからだ。※『フラミンゴディスコ』や『Migratory』(渡り鳥)はある。

 

 

そもそも、カラスはどんな鳥なのかというと......

世間の一般的なイメージ

・攻撃性がある、怖い

・ゴミを漁る、不衛生

・カァーカァーと鳴いて不吉

 

筆者が調べた情報

・人間に危害を加える可能性があるのは子育ての時期だけ

・慎重派

・意外にもキレイ好き(体を洗うなど)

・鳥の中でも知能が高い

・季節や時期、状況によって集団になる

 

参考資料

https://www.wbsj.org/nature/kyozon/karasu/yacho99/621.html

 

https://carasblog.net/whatkindofbird.php

 

 

といった感じだ。

もしこの歌詞の中の主人公が、自分はカラスのようだと形容しているのだと仮定したら、なかなかに興味深い。名も無きひとりぼっちのカラス。周囲の人間に貼られたレッテルをものともしないプライドが垣間見える。

 

上記の私の考えはあくまで個人的なものである。その為、読者の方もこの機会にカラスについての見識を深め、改めてこの曲を聴いてみて欲しい。それぞれの捉え方ができるはずだ。

 

 

 

 

以上、多面性(3)に着目して歌詞を読み解こうと努めた、筆者の感想兼ちょっとした考察でした。

 

 

それではこの辺りで失礼します。内海

渕上舞3rdLIVEを受けて

 

はじめまして。

内海と申します。

 

はじめに、この記事を書きアップすることに迷いがあったことを述べておきたい。

理由は諸事情あり、個人的なことがほとんどだが、この記事が必要とされるか、言わば需要があるのか全くもって不明であることが挙げられる。

 

それでも、声優アーティストとしての渕上舞さんを応援したい気持ちがあること。加えて今回のライブを受けた皆さんの非常に良い反応・アウトプットを見て刺激を受けたこと。主にこの2点が今の私を突き動かしている。

 

 

さて、そんな前置きを終わりにして本題に入っていきたい。この記事では全体的なライブレポートというよりかは、本ライブを受けての私の感じたこと、感想を局所的に述べたいと思う。

 

 

最初にセットリストから。

0:おやすみのワルツ

1:Rainbow Planet

2:予測不能Days

MC

3:恋なの?

4:廻り廻る奇跡

5:揺れるMoonlight

6:TRΛNSMISSION  (KΛNΛTΛ)

MC

7:Blue Moon  (Tridentより)

8:部屋の窓から見る花火

9:Meteor

衣装チェンジ

10:バレンタイン・ハンター

11:QT Show

衣装アレンジ

12:Dive Into Emotion

MC

13:操り人形クーデター

14:リベラシオン

15:A Crow

16:Crossing Road

MC

17:星空

〈アンコール〉

18:Love Summer

19:追想Colors

20:フラミンゴディスコ

 

とこのような曲目でライブが行われた。

私は無念にも配信視聴だったが、リアルタイムで観ることができ、自宅で声を出しながら参加した。その為、これはこれで楽しむことができたと思う。

 

 

感想を連ねていくと、

まず、私のお気に入りの曲である「揺れるMoonlight」と「A Crow」が披露されたのは大きかった。前者は言わずもがなだが、後者の選曲は予想できなかった。舞さんの歌唱力が以前よりパワーアップしていることを実感したうえに、この2曲のライブ音源は私に力をくれた。何故この2曲を推しているかはまた別の機会に記事にできればと思う。

 

次に「恋なの?」に関して。

今回のライブから新しいダンサーさんが加わっていることが、公式YouTubeの紹介動画で分かっていた為注目していた。

どのタイミングで出てくるのか、というような深いことまでは考えていなかったのだが、「恋なの?」が始まると同時に小劇場のようなスタンスでダンサーさんが登場し、開始数十秒程でなるほどね、と理解した。見事に曲の雰囲気を表現していた。

 

ちなみに、セルフカバー曲も2曲披露された。コンセプトアルバムから1曲と、Tridentのソロとして1曲。こちらは詳しく話せる方が沢山いると思うので、私から特段話せることは無いが、言えることが一つだけ。両曲とも「星空」というテーマにバッチシハマっていた!!

 

続いて「Dive Into Emotion」のダンス。

初披露のあの場で、あれほどカッコ良く歌い、踊って頂いたおかげで、私の中での「Dive Into Emotion」の印象は以前とは比にならない程強くなった。舞さんとしては挑戦の領域に入ったであろうあのダンス。本当にカッコ良くキマっており、驚きが隠せなかった。

また、ここのブロックでは「バレンタイン・ハンター」「QT Show」を終えての衣装の早着替えがあり、腹部が露わになる形へと変わった。カメラ越しに見ていたので、最初こそキレイなおへそへと目が行っていたのだが、次第にあれっ?となったのである。そう、皆さんが話題に多く上げていた腹筋に気付いたのである。カメラはバストアップを映すことも多く、たまの少し引いた映像を何度か見ると気付くことができた。いやいや、PPMなどで事前にセクシーパートがあるとは聞いていたが、腹筋を見せてもらえるとは聞いてない!(笑)女性としては本当に美しく、程よく仕上がっていたのである。

 

そして2ndアルバムの表題曲であり、今回の3rdLIVEのテーマでもある楽曲「星空」について。

歌唱直前のMCで、ご自身から渕神様のありがたいお言葉と称して、曲に込めた思いを少し述べていたのだが、私からすると冗談抜きで本当にありがたいお言葉だった。

「星空」に関してはリリース後から、渕上舞学会(笑)の皆さんの考察や解釈を目にしたり耳にしたりしており、それに対して深く頷いているような状況だった。

そんな中、今回は舞さんの口からご自身の言葉で考えを発せられていたことが大きい。これを聞くことで、この曲に対して我々がどのような心をもってあるべきか。それがより鮮明になったのではなかろうか。我々、とまとめるように言ったが、視点はそれぞれの立ち位置で良いと思う。

以下、筆者の記憶からお言葉を引用すると、

 

 

「この曲は、人生において上手に取捨選択していきましょう、という曲。それが伝えたいことであると同時に、自分もそれが苦手だから自分にも言い聞かせている。

仕事でもいいし、(言ってしまうと)人もそう。

嫌だったら辞めればいいし、付き合うのを止めればいい。歌詞にもあるように、大事だと思って一生懸命集めたはいいけど、こぼれてしまうものがあっても仕方ない。しかし、さよならした後でもう知らないとなるのではなく、捨てたことさえも覚えていられれば、人生がもっと豊かになるのではないかなと思う。」

 

 

皆さん様々思うところはあると思うが、個人的に止めればいいの対象に“人”を挙げていたのがとてもポイント高い。こんなことを書いている私自身どうなんだという感じではあるが、私の人生において相性が合わない人間は沢山いるのだ。私の知り合いにも相性の悪い人間関係がダラダラと続いて悩んでいる人がいた。勿論、生活していく上でどうしても不可欠な人間関係もあるだろう。しかし、そこからはみ出した相性の悪い人間は切ってしまえばいい。そう思う私は悪か?と思っていたところにこのお言葉があり、どれほど救われたことか...。

また、この曲がリリースされる以前から、私は仕事や人、その他何かから離れようとしている人たちに「どんなに嫌になってもそこにいたこと自体は忘れるな。それもお前自身の一部なのだから。」と言ってきていた。

もうここまで来ると後出しジャンケンの後出し論のようだが、舞さんのラジオやそれまでのアーティスト活動の振る舞いから、どこか私の考えを救ってくれるような感触を覚え、応援するに至ったのではないかと勝手に思っている。

 

そしてここまでで思ったのは「嫌だと思ったら止めればいい」という考えの舞さんが、今回のライブで仕上がった腹筋を見せてくれたこと。無論ある程度のトレーニング無くしてあのお腹はあり得ないだろう。努力したのだと思う。努力が苦手な舞さんが努力をして身体のコンディションを整え、ダンスや歌唱を披露してくれた。それだけ、このアーティスト活動を楽しんでくれているということに繋がるのではなかろうか。そう考えると、こちらまで嬉しくなってくる。ここがミソなのではないだろうか。

 

 

 

そんなこんなで感傷に浸る場面もありつつも、「星空」というライブのコンセプト自体がとてもシンプルで好きだったので、とても楽しいライブだった、の一言に尽きる。

客席を含めた会場のライトアップは紛れもなく星空だった。

 

 

アーカイブは5月2日本日まで!なので気になった方は是非ご検討を。配信チケットはランティスTwitterやHPから。ギリギリですが(苦笑)

もう観た方も何度でも見直しましょう。

 

 

それではこの辺りで失礼します。