どうも、内海です。
9月上旬も過ぎ、時々残暑はあるものの、いよいよ夏の終わりを感じる今日この頃である。
渕上舞さんの『まいのうた♪その5』も終わってしまったら......
後は秋の訪れを楽しもうではないか。
さて、今回記事を更新したのは少しばかりお話したい楽曲があるからだ。
その楽曲とは、ずばり渕上舞さんの『Love Summer!』。これを振り返ってみたい。
あれ?この曲は内海の好きそうなジャンルではなくないか?そう思ったそこのあなた、鋭い!確かに一見私の興味が行きやすいジャンルではない(笑)
しかしながら、流石は渕上舞作詞楽曲。普段の私を覆しお気に入りのひとつだ。
その理由をこの場でお話できればと思う。
実にこの楽曲の凄味としては"理想と現実の調和"が挙げられると思う。
話は逸れるが、ポケモンシリーズにダイヤモンド/パールがあり、それぞれの伝説のポケモンのディアルガ/パルキアが、時間/空間の象徴となっている。またブラック/ホワイトではゼクロム/レシラムが、理想/真実の象徴となっている。
このように、割と知れたことだがポケモンシリーズでは相対する事象や概念をモチーフにしたタイトルを同時に2本発売している。そしてこれらはストーリーの中でかなり深いテーマを我々プレーヤーに突き付けてくるのだ。
話を戻そう。『Love Summer!』では前述のような相対する“理想”と“現実”が楽曲の中でシナジー効果を生んでいるように思う。
軽快かつ爽やかで明るいメロディー、そして正しく理想の夏を語る歌詞。これが合さってこの楽曲はできている。
しかし歌詞の方、私が引っ掛かりお気に入りとなった、とあるフレーズがある。
「ほらユートピア」これだ。
これについては、ラジオ『渕上舞のとりあえずまぁ、話だけでも。』にもお気に入りのフレーズとしてメールを送ったことがある。その時は長くなってしまう為割愛したのだが、この前の部分では
┃明日だって明後日だって
┃憂鬱な日は続くけど
┃今日だけは忘れて舞い上がれ
と歌っている。私は初めて聴いた時からこの部分(特にほらユートピア)が引っ掛かっていた。良い意味で。これ、ただはじけている訳ではないな、と。
ユートピアという言葉は″理想郷″という意味だが、私の個人的な理由からこの言葉とはちょっとした縁があり、単なる偶然ではあるがビビッときていた。
この歌詞がくるところまでは本当に楽しそうな、というよりこちらまでノッてしまうような楽しい詞を歌っているのだ。それが(1番の)最後にこれで一気に現実に戻される。あくまで、この曲この雰囲気はユートピアなんだよ、と。残念でしたねと。明日以降の日を全て(と言い切れるかは微妙だが)憂鬱な日としているのも実に渕上舞さんらしい(笑)
渕上さん自身も「ほらユートピア」の歌詞に関してはラジオ等で何回か触れており、ユートピアは理想郷であり存在しないもの。即ち「これ幻想って言っています。怖いですよね(笑)」などと語っていた。
以上の所までで、全てをかき消す魔の言葉「ほらユートピア」を評価する旨の話をしてきた訳だが、何もそれだけが良いと言っているのではない。
ここに至るまでの楽しい歌詞がなければ、この部分が特に光ることもなかったかもしれないし、軽快なメロディーにのっているからこそ軽くホラーなのだ(笑)
それに「今日だけは忘れて舞い上がれ」とも言っている。憂鬱な現実を思わず忘れるような瞬間ってあるでしょう?昨今の情勢だとなかなか少ないかもしれないが(泣)楽しいひとときに身を任せて存分に満喫するのも重要なのだ。
要はバランスである。ハッピーな理想と憂鬱な現実。双方の調和があってこそ成り立つ良さだと思う。
夏のはじけたワクワク感を味わいつつ、少し現実を突きつけられる本楽曲。
夏の終わりにその余韻を感じながら今一度聴いてみてはいかがでしょう。
それではこの辺りで失礼します。
内海