内海のティーブレイク

内容は多岐にわたります。

『A Crow 』〜負の気の昇華〜

どうも、内海です。

 

 

以前の記事で言っていたことを有言実行したいと思い、この文面を練っている今現在である。

 

 

今回紹介したいのは、渕上舞さん作詞の楽曲であり、私のお気に入りの1曲である

A Crow』。

1stアルバム『Fly High Myway!』に収録されており、非常にカッコ良いナンバー。この楽曲について筆者なりの解釈を取り入れつつ、紹介し推してみたい。

 

 

 

まずはその曲名に着目したい。名詞のcrowの意味はカラス。そして敢えて冠詞のaがついている。訳すと"とある1羽のカラス"といったところだ。

 

 

 

この曲、個人的に多面性を持っていると思える。1つ目は、一度歌詞全体に目を通してみると分かると思うのだが、渕上舞さん自身の(特に上手く物事が進んでいなかった時期の)声優人生を彷彿とさせる内容となっている。そういった意味でも力強さが感じられるのだろう。

その点だけでも充分に推せるのだが、どうしても邪推が入りかねない点も考慮し、他の見方もしてみたい。

 

2つ目は、頑張りが報われず裏切りにあった女性をイメージさせることに注目した見方。

3つ目は単純にカラスという鳥を理解した上での見方。

 

 

 

 

2つ目の見方を掘り下げる。

歌詞を筆者の補足的解釈を入れつつも、なるべく原文のまま捉えたい。

 

 

明け方の冷たい空気

足音さえ聞こえなくて

時刻は明け方。人っ子ひとり歩いていない。

ひとりぼっちの時間と空間。

 

 

 

ゴミ箱に投げ捨てたのは

背伸びした日のピアス

思わず視界に入ったピアスを投げ捨ててしまった。それは無理して自分を偽っていた頃の品。※ここは私の好きなフレーズでもある。

 

 

 

落ちたのは

誰かのせいにしたらいい?

くちびる噛みしめて蹴り飛ばした

壁の跡は まだ消せないよ

不安塗りつぶして 新しく描くんだ

あの群青色の空を

未だに怒りのやり場が分からない。

やりきれない思いで当り散らしてしまった壁の跡は、心の傷と同じく消すことができない。

不安ごと群青色に塗りつぶしたい。

自分の居場所を描きたい。

 

 

 

鳴り響く電話のコール

出られずにそのまま切れた

伝言ゲームはもう終わり

つまらない暇潰し

嘘つきは誰なの?

全部聞かせて

静かな空間に電話のコールが鳴り響くが、とても出る気力などない。

幾度も言葉を交わしてきたが、そんなものは全て無意味だった。

今はとにかく本当の事を知りたい。

 

 

 

わざとらしい笑顔で「さよなら」

他人事みたいね

ルールなんて崩してしまえ

新しく積み上げて

この感情のまま生きてみる

あっさりと告げられた別れ。そんなことをしていい立場の人間ではないはずなのに。

これまでの暗黙のルールや決まり事など一掃して、今の感情を貫いて過ごしていきたい。

 

 

 

続きなんて考えてない

いつか聞いた言葉

それだけを信じて

その(自分の感情を貫く)やり方ではこの先どうなるか不明瞭。

だから先のことはいっそのこと考えない。

なんなら終わりが来てもいい。

いつだかに聞かせてもらった大事な言葉だけを頼りにしてみよう。

 

 

 

目覚めていく都会の喧騒

取り残されても

仲間を呼ぶカラスの鳴き声

景色は変わらないまま

明け方を過ぎ、目覚めるように社会は騒がしくなる。何も変わらない日常。

それに取り残されようとも足掻くが、また同じような日々。

 

 

 

くちびる噛みしめて蹴り飛ばした

壁の跡は まだ消せないよ

不安塗りつぶして 新しく描くんだ

あの群青色の空を

この感情のまま強く

更に時間が経過してもあの心の傷は消せない。

だから不安ごと塗りつぶすんだ、私らしい色で。自分が自由になれるように。

この感情を忘れずに強くありたい。

 

 

 

 

個人的には、荒んだ状況(裏切りや喧嘩?)の中自分を貫こうとする、孤高な女性像が浮かぶ。ちなみに、女性が浮かぶ理由はピアスという言葉が入っている点と、節々の言い回しからである。断定に近い仮定だ。

ポイントなのは、この楽曲の歌詞ほとんどがマイナスなイメージの言い回し、或いは""""を感じさせる言葉選びであること。

 

そして、二度出てくる

「不安塗りつぶして 新しく描くんだ

あの群青色の空を」

というフレーズ。ここだけに野心とも言うべきプラスな感情を、一点集中させていること。

これが本曲の特徴であり、魅力的な要素だと私は思う。

この言葉は今後、私は何度も使うだろう。「渕上舞楽曲はただ暗いだけただ明るいだけでは終わらない」

この曲は、"負の気の昇華"だと感じた。

 

 

 

 

 

3つ目、最後に曲名の"とある1羽のカラス"に視点を置いて少しだけ考えてみたい。渕上舞さんの曲で、鳥の名前のみが曲名になっているのはこの曲だけだからだ。※『フラミンゴディスコ』や『Migratory』(渡り鳥)はある。

 

 

そもそも、カラスはどんな鳥なのかというと......

世間の一般的なイメージ

・攻撃性がある、怖い

・ゴミを漁る、不衛生

・カァーカァーと鳴いて不吉

 

筆者が調べた情報

・人間に危害を加える可能性があるのは子育ての時期だけ

・慎重派

・意外にもキレイ好き(体を洗うなど)

・鳥の中でも知能が高い

・季節や時期、状況によって集団になる

 

参考資料

https://www.wbsj.org/nature/kyozon/karasu/yacho99/621.html

 

https://carasblog.net/whatkindofbird.php

 

 

といった感じだ。

もしこの歌詞の中の主人公が、自分はカラスのようだと形容しているのだと仮定したら、なかなかに興味深い。名も無きひとりぼっちのカラス。周囲の人間に貼られたレッテルをものともしないプライドが垣間見える。

 

上記の私の考えはあくまで個人的なものである。その為、読者の方もこの機会にカラスについての見識を深め、改めてこの曲を聴いてみて欲しい。それぞれの捉え方ができるはずだ。

 

 

 

 

以上、多面性(3)に着目して歌詞を読み解こうと努めた、筆者の感想兼ちょっとした考察でした。

 

 

それではこの辺りで失礼します。内海